IX−3−第11章 その他

Q6 国家公務員と地方公務員の違いは


1 国家公務員と地方公務員の給与の相違点

 (1)国家公務員と地方公務員については,給与の中で支給される手当については,大きな相違点はない。
 (2)しかしながら,一般的に地方公務員の給与体系が,国家公務員より高めに設定されている場合が多く,このことは,ラスパイレス指数(地方公共団体の職員構成が国と同一であると仮定して,その平均給与をもとめたうえで,国の平均給与を100として算出した指数)にもあらわれている。
 (3)また,国家公務員の場合でも,教員の給与が教育の特殊性から,給与体系において高めに設定されている。また,手当等についても一般行政職(国立青年の家・少年自然の家職員含む)と教員とでは以下のとおり異なる手当等が支給されている。

 (給与 参照)

2 一般職員の勤務時間についての規定は,どうなっているのか

 一般職員の勤務時間については,「一般職員の勤務時間,休暇等に関する法律(案)」によって定められることとなっており,以下のとおりとなる予定である。

・勤務時間
 1 一週間の勤務時間(同法第5条)
 職員の勤務時間は,休憩を除き,1週間当たり40時間とする。
 2 週休日及び勤務時間の割り振り(同法第6条第1項及び第2項関係)
 日曜日及び土曜日は,週休日(勤務時間を割り振らない日をいう。)とし,各省各庁の長は,月曜日から金曜日までの5日間において,1日につき8時間の勤務時間を割り振るものとする。
 3 週休日及び勤務時間の割り振り特例(同法第7条関係)
 各省各庁の長は,公務の運営上の事情により特別の形態によって勤務する必要のある職員について,週休日及び勤務時間の割り振りを別に定めることができること。
 この場合において,4週ごとの期間につき8日の週休日を設け,及び当該期間にき1週間当たり40時間となるように勤務時間を割り振らなければならないこと
 ただし,勤務の特殊性により,4週間ごとの期間につき8日の週休日を設け,又は,当該期間につき1週間当たり40時間になるよう勤務時間を割り振ることが困難である職員について,人事院と協議して52週間を超えない期間につき1週間当たり1日以上の割合で週休日を設け,及び当該期間につき1週間当たり40時間となるように勤務時間を割り振る場合には,この限りではないこと。

3 国立青少年教育施設の具体的な勤務形態は,どのようになっているのか

 国立青少年教育施設の勤務形態は,以下のとおりとなっている。
  なお,週休日及び勤務時間の割り振りについては,文部大臣から委任された所長が行うことになっている。

(1)勤務形態
 1 青年の家,少年自然の家
  4週8休制(1週40時間,1日8時間),8週16休(1週40時間1日8時間),8週15休(1週平均40時間,1日8時間,半日4時間)
 2 国立オリンピック記念青少年総合センター
  4週7休制(1週平均40時間,1日8時間 ― 土曜日4時間)
 3 文部省
  4週8休制(1週40時間,1日8時間)

(2)勤務時間

 (勤務時間 参照)

4 国家公務員と地方公務員の身分及び服務について

 国家公務員と地方公務員の身分及び服務については,大きな相違点はないが,教育公務員については,一般公務員に対して以下のような特例がある。

 (服務特例 参照)

(参 考)
国家公務員及び地方公務員(一般職員)の身分及び服務等については,以下のとおりである。

[国家公務員]
1.分限・懲戒・保障

(1)身分保障(国家公務員法第78条)
  勤務実績不良,心身の故障,適格性欠如,廃職等国家公務員法第78条の1に該当する場合以外には,本人の意に反して降任,免職はされない。
(2)休職(国家公務員法第79条,人事院規則11-4 3条)
  長期休養,起訴,調査・研究,機関設立援助,災害による生死不明及び欠員がなく復職できない場合以外は,意に反して休職にはされない。
(3)懲戒(国家公務員法第82条〜85条)
  ・免職(職員の意に反してその職を失わせる処分)
  ・停職(職員をその職務に従事させない処分)
  ・減給(一定期間給与の一定割合を減額して支給する処分)
  ・戒告(職員の規律違反の責任を確認し,その将来を戒める処分)

2.服務

 (1)服務の宣誓(国家公務員法第97条)
 (2)法令遵守義務(国家公務員法第98条第1項)
 (3)争議行為等の禁止(国家公務員法第98条第2項)
 (4)信用失墜行為の禁止(国家公務員法第99条)
 (5)守秘義務(国家公務員法第100条)
 (6)職務専念義務(国家公務員法第101条)
 (7)政治的行為の制限(国家公務員法第102条)
 (8)私企業からの隔離(国家公務員法第103条)
 (9)兼業(国家公務員法第104条)

3.行政措置要求等(国家公務員法第86条〜92条の2)
 あらゆる勤務条件に関し,人事院に対して行政措置要求ができる。また,不利益処分を受けた職員は,人事院に対して行政不服審査法による不服申立てをすることができる。

4.災害補償
 公務上の災害又は勤務による災害を受けた職員に対し,災害の態様に応じ種々の補償が行われる。

[地方公務員]
1.分限・懲戒・保障
(1)身分保障
  1 一般原則
    ・職員の分限,懲戒が公正でならなければならない(地方公務員法第271条1項)
    ・職員の正当な職員団体活動の故をもって,不利益な取り扱いをすることが禁じられている。(地方公務員法第56条)
  2 具体的な職員に対する処分の公正に対する保障
    ・職員は,法律又は条例に定める事由のある場合でなければ,その意に反して降任,休職,免職,降級され,又は,懲戒処分を受けることがない。(地方公務員法第27条2項,3項)
    ・職員に対し,その意に反すると認める不利益な処分を行う場合には,主文事由説明書を交付すべきものとして,処分が客観的に行われるよう配慮している。(地方公務員法第49条)
    ・その意に反して不利益な処分を受けたときは,人事委員会等の公平機関の事後審査による救済の制度がある。(地方公務員法第49条以下)
   なお,法律問題については,審査の結果に対して,さらに裁判所に救済を求めることができる。(地方公務員法第8条8項,51条の2項)

(2)降任,免職
  勤務実績不要,心身の故障,的確性欠如,廃職等地方公務員法第27条2項,28条1項)の1に該当する場合以外には,本人の意に反して降任,免職はされない。

(3)休職
  長期休養,起訴,その他条例で定める場合以外には,本人の意に反して休職とされない。(地方公務員法第27条2項,28条2項)

(4)降給
  その意に反して降給されるのは,条例で定める事由の場合に限られる。(地方公務員法第27条2項)

(5)懲戒処分
  1 懲戒処分を受けることのあるのは,つぎの場合に限られる。(地方公務員法第27条3項,29条1項)
    ・地方公務員法もしくは同法第57条に規定する特例を定めた法律またはこれに基づく条例,地方公共団体の機関の定める規定に違反した場合。
    ・職務上の義務に違反し,または職務を怠った場合。
    ・全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合。
  2 懲戒処分の種類
    ・地方公務員法における懲戒処分は,戒告,減給,停職及び免職の4種類と定めている。(地方公務員法第29条1項本文)

2.服務義務

(1)憲法は,「すべて公務員は,全体の奉仕者」であるとして(憲法第15条2項),公務員の本質を示している。地方公務員法は,憲法のこの規定を受けて,「すべて職員は,全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し,且つ職務の遂行に当たっては,全力を挙げてこれに専念しなければならない」と定めている。(地方公務員法第30条)

(2)服務の宣誓(地方公務員法第31条)
 「職員は,条例の定めるところにより,服務の宣誓をしなければならない」

(3)服務義務の種類
  1 職務上の義務
    ア.法令等遵守義務及び職務命令に従う義務(地方公務員法第32条)
    イ.職務専念義務(地方公務員法第35条)
  2 職務外の義務
    ア.信用失墜行為の禁止(地方公務員法第33条)
    イ.守秘義務(地方公務員法第34条)
    ウ.政治的行為の制限(地方公務員法第36条)
     ・憲法の第15条2項「公務員は,全体の奉仕者であって,一部の奉仕者ではない」−政治的中立性を確保する必要がある。
     ・教育公務員については,地方公務員法第36条の規定によらずに,国立学校の教育公務員の特例による。
    エ.争議行為等の禁止(地方公務員法第37条)
    オ.兼職・兼業の制限
     ・報酬を得て事務もしくは事務に従事することの禁止(地方公務員法第24条4項)
     ・営利企業等の従事制限(地方公務員法第38条)
     ・教育公務員の場合には,その専門職性から,教育に関する兼職及び他の事業・事務の従事について特例が認められている。(教特法第21条)

3.研修

(1)職員の研修規定
 職員に研修を受ける機会を与えること,研修は,任命権者が行うこと。(地方公務員法第39条1・2項)

(2)教育公務員に対する特例
 教育公務員については,さらに,その職責を遂行するために,絶えず研究と修養に努めるべきこと,研修の機会供与について特別の配慮がなされるべきことを法律で定めている。(教特法第19条,第20条)